こどもの成長に合わせて、よくある質問を
項目別にまとめました。
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- Q1 白くて硬いポチポチがあって自然に取れたけど、これは歯だったの? (1ヶ月)
- A 歯ではありません。上皮真珠と呼ばれるもので、歯堤(将来歯が生え出して並ぶ土手のようなもの)を形成する口腔上皮が、胎内で成長する際に角化したもの。自然に取れても、何の心配も要りません。
- Q2 生後1ヶ月で、下の前歯が歯が生えていた。早過ぎ? (1ヶ月)
- A 生後6ヶ月前後で歯が生える場合が普通です。生後1ヶ月以内に生えるのを先天性歯といって、たまに生えるお子さんもいます。ただ、余分な歯の場合もありますので、一度歯科医院に検診に行ってください。
- Q3 下あごから生えた乳歯で、私の乳首に傷がついて痛い。 (2ヶ月)
- A 下の前歯の端で子どもさんの舌の裏側に傷ができたり、授乳の際お母さんの乳首にあたって痛いときがあります。歯の先端を少し丸く削ってあげたり、歯に合成樹脂で帽子のようなものを作ってかぶせたりします。授乳のとき、お母さんのおっぱいにつけて、乳首を保護する小物も市販されています。
- Q4 上から先に歯が生えてきた。歯並びに影響は? (8ヶ月)
- A 乳歯の生える順番や時期には個人差があります。上から出たり、横の歯から生えてきたり、隙間があいていたりとさまざまですが、いずれも問題ありません。
- Q5 もうむし歯になったのか、歯が黄ばんできた。 (9ヶ月)
- A 乳歯は一般的に、やや青味を帯びた乳白色ですが、いろいろな原因で色がついたり変わることがあります。主な原因としては、歯の汚れ(プラーク)、飲食物に由来する色素の付着などが考えられます。表面についたものは、機械を使って磨くことで除去することができます。また、歯を打ったことがあると、歯の色が黒くなることがあります。これは歯の神経が死んでしまっているためです。一方、全身的な問題や薬などが原因となって、内側から色の変化があることもあります。一度、歯科医院で見てもらいましょう。
- Q6 まわりの子はもう歯が生えているが、うちの子はまだ歯が生えない。(9ヶ月)
- A 乳歯はおおよそ6ヶ月頃より下の前歯より生え始め、2歳半くらいで上下20本の歯が生え揃います。ただしこれは平均であり、個人差も大きく、早かったり遅かったりします。身体の発育状態が正常であるならばあまり気にすることはないと思われます。しかし、乳歯は赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる時からできており、その形成期は身体的状況の影響を最も受けやすい時期です。気になる場合は一度歯科医院で精査することをお勧めします。
- Q7 上の歯ぐきのすじを転んで切りました。たくさん血が出て、腫れています。 (10ヶ月)
- A 10ヶ月ぐらいのお子さんだと、上の前歯が生えてきたばかりだと思います。痛みと出血で泣きわめく姿に、お母さんも動揺されると思いますが、清潔な布で、切った部分を押さえておけば出血はすぐに止まるはずです。そしてすぐに、歯科医院を受診してください。腫れや痛みなどの症状がとれるまで歯科医の指示に従い、安静に過ごすように心がけてください。
- Q8 前歯だけしか生えていないけど、歯ぎしりします。 (10ヶ月)
- A この頃は何でも口に持っていき、口でモノの性状を確かめています。それは脳の発達のためにとても大切なこと。そうやって、自分の口や歯の存在も感覚として覚えるのです。歯ぎしりもそのような感覚遊びのひとつでしょう。指のニギニギを繰り返すことと同じで、情緒不安や異常な行動ではありません。そのために歯がだめになったりすることはありません。心配しなくても奥の歯が生える頃にはなくなると思います。
- Q9 上の前歯2本が前後にずれている。矯正しないといけないの? (10ヶ月)
- A 永久歯の美しい歯列(咀嚼、審美)を考えると、乳歯は大切な役割を果たす重要なものです。しかし、まだ歯も生えたばかりの頃でしょう。経過を観察しつつ専門医を受診し、的確なアドバイスを受けることをお勧めします。
- Q10 口の中にハブラシを入れるだけでものすごく嫌がります。 (10ヶ月)
- A 歯は生後6ヶ月から8ヶ月頃、下の前歯から生え始めます。この頃の赤ちゃんは、おもちゃなどを噛んで歯ぐきがむずがゆそうです。この時にハブラシをおもちゃとして持たせ、口の中に入れることに慣れるようにしてみてください。仕上げ磨きをする時は、歌を歌いながら、TVを見ながらなど、お母さんがゆとりのある時間に遊び感覚で始めてください。
- Q1 むし歯は親からうつる病気と聞いたけど。チューしたらだめ? (8ヶ月)
- A 子どものむし歯に関係する細菌(むし歯菌)は、母親から感染する可能性があると言われています。キスをしたり、母親が噛み砕いた食ベものを与えたりすることで、母親の細菌(むし歯菌)が子どもにうつる可能性は充分に考えられます。むし歯があったり口腔管理が悪い保護者の方は、治療をしたり、お口をきれいにしたり、充分注意してください。
- Q1 最近、おもちゃを口にくわえて噛んでいる。歯ぐきがかゆいの?(7ヶ月)
- A 手に持ったものを口に入れるのは、自分で食べるための第一歩。食べる練習だと考えてください。また、6~7ヶ月になると下の前歯が生えてくるため、その部位に違和感を感じて手で触ることも多くなります。
- Q2 歯が生えてきましたが、もうお肉は噛めますか? (10ヶ月)
- A 10ヶ月の子どもさんに、いきなりお肉のかたまりを食べさせるのは無理があり、かえってお肉嫌いになるかもしれません。この頃は食べものとの初めての出会いの時期なので、歯の生え方に合わせ、無理をしないで少しずつ、いろいろな食品を経験させ、偏食にならないようにしていくことが大切です。お肉を食べさせるとしたら早くても1歳過ぎからで、しかも脂身の少ない鶏肉のささみのミンチぐらいから始めるのがよいでしょう。1歳半頃になると奥歯も生えてきますので、小さなお肉のかたまりも少しずつ食べさせてみてください。きちんと消化吸収されているのかを見るために、子どもさんの便を時々チェックしてみるのもよいかもしれません。
- Q1 歯医者は、いつ頃から行ったらいい? (7ヶ月)
- A 生後6ヶ月から1年ぐらいまでの間に、一度診てもらったらいかがでしょうか? 歯みがきの仕方やフッ素塗布などのむし歯予防方法を教えてもらったり、指しゃぶりについて説明してもらうなど、これからの健やかなお口の健康について指導してもらいましょう。
- Q11 前歯が生えた後、1本分飛ばして奥歯が生えてきたけど、歯がためのせい? (1歳1ヶ月)
- A 乳歯は、まず下の真ん中の2本の歯から生え始めます。続いて、上の真ん中の2本、それらの両脇、という順序です。4本の前歯が生え終わってしばらくした頃、1本分の空隙を残し、奥歯が生え始めます。その後、3番目の1本分の空隙に、犬歯が生えてきます。そして最後に、一番奥にもう一本ずつ、奥歯が生え出します。これで乳歯が生え揃います。ですから、前歯が生えた後、一本分飛ばして奥歯が生えてくるのは普通です。心配いりません。
- Q12 上の前歯の裏側にとがった歯がくっついているように見えるけど…。 (1歳1ヶ月)
- A とがった歯というのは、切歯結節と呼ばれるものです。結節が小さい場合には、さほど問題になりません。大きい場合には、授乳時の乳首の痛みなどがあらわれる場合があります。さらに大きい場合には、この結節の中にも神経が入っているので、補強したり、歯科医に言って少しずつ(数回に分けて)正常な位置まで削ってもらってください。そうしないと、下の歯と噛み合うことによって破折する原因にもなり、その場合には神経が露出することで痛みや、神経が細菌感染をおこす原因にもなります。一度、歯科医院で診てもらいましょう。
- Q13 2本の歯がくっついた形で生えてきたけど、永久歯もこんな歯が生えるの?(1歳2ヶ月)
- A それは、癒合歯と呼ばれるもので、下あごの前歯に多く見られます。乳歯に比べ、永久歯には少ないようです。乳歯が癒合歯であると、後から生えてくる永久歯が欠如することもあるようです。そのために歯が生え変わる時期には、歯並びについて経過を見てゆく必要があります。
- Q14 1歳過ぎても歯が生えてこない。とても不安です?(1歳3ヶ月)
- A 子どもの歯は生後6ヶ月から8ヶ月くらいに、下の前歯から生えてくることが多いです。少し遅いとは言えますが、単なる発育の個人差として1歳過ぎて生えてくることも考えられます。場合によっては、何らかの理由(先天的欠如や全身的疾患など)で生えてこないこともあり得ます。歯が生えるのが遅いのは、体の発育面や栄養面や発音にも影響を与えることがあるので、一度歯科医院で確認されるのがよいと思います。
- Q15 上下2本ずつ歯が生えた後、次の歯が生えてこない。(1歳3ヶ月)
- A 真ん中の2本の生える時期は6~8ヶ月、次の歯は11~12ヶ月とされています。しかし、これらはあくまで平均ですから、発育の個人差により、もっと早かったり、遅かったりすることも。それ以外の理由として、次の歯とその隣の歯がくっついて出来上がる歯(癒合歯、癒着歯)の可能性もあります。これも特に処置の必要はありませんが、レントゲンで簡単に確認が出来ますので、歯科医院を受診されるのがよいと思います。
- Q16 歯みがきすると、歯ぐきから血が出ます。(1歳5ヶ月)
- A 歯肉炎が原因だと思われます。歯のまわりや歯と歯の間の歯ぐきが赤く腫れると、歯みがきするだけで簡単に出血します。歯肉炎にも、1.不潔性歯肉炎、2.萌出性歯肉炎、3.ウィルス感染による歯肉炎がありますが、一般的には不潔性歯肉炎だと思います。 不潔性歯肉炎…歯に細菌のかたまり(歯垢)がついて、お口の中が不潔になると歯ぐきに炎症が起きてしまいます。原因を取り除いて清潔にすれば炎症はおさまります。適切な歯みがきの仕方を歯科医院で教わるといいでしょう。
- Q17 健診でベロのすじが短いといわれました。そのままでいいの?(1歳6ヶ月)
- A 1歳半なら、ほとんどの場合、処置は必要ないでしょう。なぜなら、舌小帯(ベロのすじ)は、成長に伴い次第に退縮していく(付着部位がベロの先から奥へとなる)傾向にあるからです。また、おしゃべりが活発化すると、舌の動きもより良くなるといいます。もう少し様子を見ましょう。ベロが貼りつくようになって前に出なかったり、下の前歯がベロの裏側にあたって潰瘍ができたりするようなら、処置が必要な事もあります。一度歯科医院で診てもらってください。
- Q18 健診で切端咬合といわれた。何のこと?(1歳6ヶ月)
- A 上下の歯が先端で噛み合っている状態のことです。1歳6ヶ月ですと、まだ乳歯は生え揃っていませんので、噛み合わせは変化することがあります。注意深く様子を見て、もし反対に噛み合うようになったら一度歯科医院で相談してください。
- Q19 糸きり歯に白っぽい斑点があるけど、むし歯なの?(1歳6ヶ月)
- A 白っぽい斑点の原因は、歯が部分的にきれいにできていない石灰化の不良によるものと思われます。歯はカルシウムのきれいな結晶ですが、一部結晶が崩れると白く濁ってしまいます。子どもの歯の糸きり歯の表面ができるのは、生まれてから生後6ヶ月頃までなので、その頃に体調が悪かったことなどがあれば、それがひとつの原因とも考えられます。見た目にそれほど気にならず、穴もあいていないようでしたら、そのまま様子を見ていいと思います。
- Q20 健診で上唇小帯異常といわれた。 (1歳7ヶ月)
- A 上唇小帯とは、上唇を上に引き上げたときに、唇の裏側と前歯の歯ぐきの間に見られる粘膜のひだの部分を言います。1歳6ヶ月くらいでは、比較的太く厚みがあります。しかし、歯を取り囲む骨の発育が強まるにつれて、2歳6ヶ月頃には歯から離れた上のほうに位置してきます。また、1人歩きをし始めると、転んだ拍子に小帯を切って自然に細くなってしまうこともあります。そのため、1歳6ヶ月くらいでは無理に小帯をとってしまわず経過を観察することが多いのですが、まれに歯が完全に生えてこれないほど強く引っ張ってしまっている場合や、歯の3分の1を覆うほど太くなって、歯や歯ぐきに汚れを残しやすくなり、炎症を引き起こしてしまう場合もあるので、一度歯科医に見てもらうことをお勧めします。
- Q21 子どもの歯の数が足りないのは、私が牛乳を飲まなかったのが原因?(1歳7ヶ月)
- A いいえ。歯のもとになる歯胚と呼ばれるものは、お母さんのおなかにいる時から乳児期にかけて何年もかかって歯へと成長していきます。この歯胚が何らかの原因でなくなって、歯の数が足りなくなるのです。原因は、はっきりわかっていません。
- Q22 ウーロン茶を飲ませたら、歯が茶色くなって磨いてもとれません。(1歳8ヶ月)
- A ウーロン茶に含まれる色素によって、歯の表面に着色が起こることがあります。ハブラシで磨いても取れないくらいに強固に付着して固まったものは、歯科医院で専用の磨き粉や機械による清掃によりきれいになります。
- Q23 転んで、上の前歯がぐらぐらしています。大丈夫?(1歳10ヶ月)
- A 2つの場合が考えられます。1つは歯が歯ぐきから浮いている“脱臼”の状態です。もう1つは歯の根が折れている“破折”の状態です。1歳10ヶ月ぐらいだと、ほとんどが“脱臼”の状態ではないかと思われますが、できるだけ早く歯科医院を受診してくわしく見てもらってください。治療としては、動いている歯を周りの歯と接着して固定します。腫れや痛みなどの急性炎症があれば投薬も考えられます。
- Q24 テーブルの角で歯を打ち、前歯の一部が欠けました。そのままでいい?(2歳)
- A 歯には神経が集まった歯髄というものがあります。乳歯はその歯髄と歯の先端との距離が近いため、歯を打った時には痛みがないようでも、後に歯を打った時の刺激で歯髄がショックを起こして悪くなり、歯ぐきが腫れてくることがあります。また、歯の先端が欠けてとがっている場合は唇を切ったりしますので、必ず歯科医院で診てもらってください。
- Q25 高熱があり、歯ぐき全体から出血した。(2歳)
- A ヘルペスというウィルスが原因の口内炎が疑われます。まず、小児科を受診してください。最近は、ウィルスに効く薬もありますので、それを使えば早く治ると思います。歯ぐきから出血する間は、食欲もなく体力も低下していますので、口当たりがよく栄養価の高いものを食べさせましょう。食後には、歯の表面を湿らせたガーゼなどでやさしく拭いたり、うがいをさせる程度にしましょう。
- Q26 口内炎ができやすく、痛がる。どうしたらいい?(2歳)
- A 歯科用の軟膏やワセリン等を患部に塗ることにより、痛みを和らげることができます。お口の中を清潔にして、冷たい飲みものやおしょうゆなど患部を刺激するものは控えたほうがよいでしょう。また、同じところに何度でもできるようであれば、歯の形や噛み合わせが関係している場合もありますので歯科医院で検査してもらいましょう。
- Q27 受け口なのか、イーすると下の歯が手前にくる。(2歳)
- A 2歳ですとまだ乳歯は生え揃っていないことが多く、噛み合わせは不安定です。どこで噛んでいいかわからずに反対で噛んでいるだけかもしれません。受け口なのかどうかは、乳歯がすべて生え揃って安定する3歳ぐらいまで待って判断するといいでしょう。いつの間にか普通に噛むようになる子もいます。もし、ご家族の方に反対の噛み合わせの方がいらっしゃる場合は、この子もその可能性がありますので、一度、歯科医院に相談してください。
- Q28 上の前歯の歯と歯の間が白く透けてみえる。(2歳7ヶ月)
- A 上の前歯の歯と歯の間は、歯がきっちり詰まって隙間がない場合、とてもむし歯になりやすいところです。むし歯は、なり始めは白っぽいことが多いので、白く透けて見えるということは、むし歯の可能性が高いと思われます。歯と歯の間に隙間がある場合は、さほど心配はありませんが、詰まっているお子さんは、今むし歯がなくても要注意の場所です。
- Q29 言葉が不明瞭で、舌のすじを切ったほうがいいと言われたのですが…。 (3歳)
- A 舌小帯短縮症と言って、舌の先端部を用いて発音するラ行、タ行、サ行がうまく発音しにくいということがあります。この発音の完成は5~6歳と言われており、その年齢まで様子を見て、音がうまく出ない時にすじを切る簡単な手術を行います。また最近では、レーザーによる手術も行われています。
- Q30 乳歯の数が足りないが、永久歯も足りないの? (3歳)
- A 乳歯の数が足りない場合、あとから生える永久歯も足りないことが多いと言われています。永久歯の噛み合わせに問題が起こらないように、乳歯の時から定期的に歯科医院で管理されることをお勧めします。
- Q31 健診でレントゲンをとったら、前歯に余分な歯があると言われた。(3歳)
- A この余分な歯は過剰歯と呼ばれるものです。過剰歯には、そのまま生えてくるものと生えてこないものがありますが、歯並びによくない影響を及ぼす場合、取ってあげるのがよいでしょう。生えてこないものについては、将来にわたって歯並びに影響がないか注意深く観察する必要があります。定期的に歯科医院で調べてもらうことをお勧めします。
- Q32 上の前歯が1本だけ茶色くなってきた。(3歳)
- A その歯の神経がダメージを受けているということが考えられます。1ヶ月かそれ以上前に転んだりして前歯をぶつけたことはありませんか? もし、ぶつけたのが最近なら、色はもとに戻ってくる可能性もありますが、1ヶ月以上経過していて色がどんどん濃くなるようだったら、ぶつけた時の衝撃で見た目は異常なくても歯の神経だけが死んでしまっていることが考えられます。いずれにしても、歯科医院の受診をお勧めします。
- Q33 健診で、エナメル質形成不全といわれた。(3歳)
- A 乳歯は胎生5~6ヶ月頃から作られ始め、生後1年ぐらいで完成します。この時期に何らかの障害を受けると、歯がもろくできてしまう場合があります。エナメル質形成不全というのは、エナメル質という歯の一番外側の硬い部分がもろくできてしまっている状態で、生えてきた時からすでに淡黄色や褐色を呈しています。この部分は他の健康な部分よりも柔らかいのでむし歯になりやすく、十分な注意が必要です。
- Q34 歯と歯の間に隙間がありません。このままで大人の歯はきれいに並ぶのでしょうか?(3歳)
Q35 歯並びがガタガタだけど、どうしたらいいの?(4歳) - A 歯が重なり合って生えていると、むし歯にもなりやすく、歯ぐきにも炎症が起こりやすいです。歯の汚れを残さないように、注意して歯みがきしましょう。また、糸みがきも有効です。乳歯の時に歯に重なりがある場合、永久歯が生える時にもっと重なりができることが予想されます。歯並びが気になるようでしたら、歯科医院に相談してみましょう。
- Q2 フッ素を塗ると、むし歯にならないの? (1歳3ヶ月)
- A フッ素は、歯の表面のエナメル質を強くしてむし歯になりにくくします。1~1歳6ヶ月頃から塗布されるといいでしょう。ただし、フッ素を塗れば、全くむし歯ができなくなるというわけではありません。やはり、日常の食生活や歯磨きの習慣も大切です。
- Q3 哺乳びんを使っていると、むし歯になりやすい? (1歳5ヶ月)
- A ボトルカリエスという言葉があります。哺乳びんの誤った使い方が原因でできるむし歯のことです。だらだらと長時間くわえている子や、くわえたままでないと眠れない子、哺乳びんの中にミルク以外のジュースや乳酸飲料やスポーツドリンクなど糖分の多い飲みものを入れて飲む子らによく見られます。上顎の前歯部にむし歯ができるのが特徴です。歯が生えたら、なるべく早期にスプーンやコップでの摂取に切り替えたいものです。
- Q4 歯の溝が黒くなっているけど、むし歯? (1歳8ヶ月)
- A 歯科健診を受けるとC0、C1、C2などという言葉を聞きますね。歯の溝が黒くなっているのはやはりむし歯ですが、C0、C1くらいと思われます。歯の表面のエナメル質という部分がむし歯になると、光沢のない白濁したような色になり、さらに進行すると黒くなってゆきます。この時期はむし歯の痛みはほとんど感じませんし、治療も簡単にすみます。これを機会に歯科医院の受診をお勧めします。
- Q5 歯みがきしてたけど、むし歯ができた。 (2歳6ヶ月)
- A むし歯予防のための歯みがきの基本は、歯垢をしっかり取り除くことです。実はこれが結構難しくて、適当に磨いているといつも磨き残しが出てしまい、むし歯ができてしまいます。磨き方のどこに問題があるのか、それは人それぞれなので一言でお答えするのは困難です。まずはかかりつけの歯科医に相談して、原因と予防法をアドバイスしてもらいましょう。家庭でのケアをレベルアップし、さらに歯科医院でのケア(歯のクリーニングやフッ素塗布など)を定期的に受けることで、予防効果はグーンとアップします。
- Q6 唾液が少ないと、むし歯になりやすい? (3歳)
- A 唾液には、緩衝能(酸性に傾いた口の中を薄めてくれる力)があります。唾液が少ないとその力が弱くなるので、むし歯になりやすいと言えます。そのためにも、よく噛む習慣は唾液が出るのをうながし、予防にも最適です。
- Q7 むし歯のなりやすさは遺伝するの? (3歳)
- A むし歯と遺伝の影響は、必ずしもあるとは言えません。むしろ、食生活を中心とする生活習慣や環境が影響を及ぼすと言えます。いつもきれいな口でいられるように、お子さんの歯や口に関心をもって見守ってください。
- Q8 むし歯になりやすい歯って、どれですか? (3歳)
- A 奥歯は噛み合わせに溝があり、頬や舌で隠れているため、ハブラシの毛先が到達しにくく、むし歯になりやすいところです。上の歯は食べものが停滞し、唾液の流れが悪いため、下の歯に比べてむし歯になりやすい傾向にあります。また、歯の間に隙間のない歯並びの場合、歯と歯の間にむし歯ができやすくなります。早い時期から甘いものを覚えたり、歯みがきの習慣づけができていない場合は、どの歯もむし歯になる危険性が高くなります。
- Q9 健診でむし歯発見。早く治療したほうがいい? (3歳)
- A むし歯の大きさによっては削ったり、つめたりしなくてすむこともありますので、早めに受診することをお勧めします。3歳頃のむし歯は原因を探り、むし歯が進まないように、また増えないようにしていくことが大切です。歯科医院で歯みがきや食習慣に関する指導を受け、必要ならば治療を受け、その後は定期健診やむし歯予防の処置を受けましょう。
- Q10 シーラントって、むし歯予防に効果があるの? (3歳)
- A 奥歯の溝は、乳歯、永久歯を問わず、むし歯にとてもなりやすい場所です。この溝の深いところを、むし歯になる前にあらかじめ合成樹脂等でふさいであげることをシーラントと言います。むし歯予防にはとても効果があると思いますが、はがれたりすり減ったりすることもありますので、シーラントをした後も定期的なチェックが必要です。
- Q3 早くから、甘いものをあげないほうがいいって、本当? (1歳1ヶ月)
- A 本当です。できるだけ大きくなってから与えるようにしましょう。乳児は甘い味が大好きなうえ、一度与えると、もっと欲しいと要求がエスカレートしやすいと言われています。薄味から覚えていくようにさせましょう。甘みは母乳や粉ミルクの味が参考になります。その他の味は市販のベビーフードを参考にしてください。先に濃い味を覚えてしまうと、薄い微妙な味をなかなか覚えられず“味音痴”になる可能性も。一方で、甘い味は子どもに楽しみを与えてくれます。禁止するのではなく、遠ざけるぐらいの感覚で。
- Q4 一日中、指をしゃぶっているけどいいの? (1歳6ヶ月)
- A この時期の指しゃぶりはそんなに心配ありません。指しゃぶり自体異常なものではなく、もともと生理的なものです。自分の指を吸うということは大変気持ちのいいことで、不安をやわらげてくれたり、気持ちを落ち着かせてくれるものと言われています。あまり神経質にならずに、お子さんとのふれあいを大切にしてください。歩けるようになったり、手先が器用になり遊びや興味の対象が広がれば、いつの間にか忘れてしまうことでしょう。
- Q5 授乳、哺乳瓶。むし歯とやっぱり関係があるの?歯のためには、早く断乳(卒乳)したほうがいいの? (1歳6ヶ月)
- A 母乳やミルクを入れた哺乳瓶でもむし歯になります。原因は、その与えやすさが招く授乳の不規則性にあると考えられています。欲しがる時にいつでも容易に与えることができるうえ、授乳にはある程度の時間が必要とします。そのため、口の中はむし歯菌にとって、常に好環境な状態が維持されることになり、むし歯になる確率が高くなるのです。とはいえ、決して母乳育児を否定しているのではありません。母乳育児は、初期免疫の獲得、母子の心理的関係の確立、吸啜に伴う感覚や運動の学習といった、すばらしい役割を担っています。卒乳の時期にある子は、多数の乳歯が生え出していて、砂糖を含むおやつや飲料を摂取するようになっていることと思います。そうした環境の中で、母乳やミルクを寝ながら与えたり、夜間に与えたりするのは歯にとって危険です。就寝時や夜間は、唾液の分泌量が少なくなり、自浄作用の効率が悪くなるので、よりいっそうむし歯になる危険性が高くなるからです。卒乳の時期としては、乳歯の奥歯が生え揃う頃、1~1歳半くらいがいいと思います。
- Q6 アメ、ガム、キャラメルが特によくないと言われたけど、なぜ? (2歳)
- A 砂糖を多く含んで歯にくっつきやすく、しかもダラダラ食べることが多いからです。糖分が歯に接触している間は絶えず歯は溶かされるため、口の中に長く停滞するお菓子は非常にむし歯をつくりやすいと言えます。
- Q7 毎食後、歯みがきしないといけないの? (2歳)
- A 「食べたら磨く」は、歯みがきの基本です。食べた後、お口の中は酸性になってむし歯菌が増えやすい状態になります。時間が経てば経つほど、むし歯菌はどんどん増えてしまうのです。子どもの場合、間食回数が多い、食べたらすぐ寝てしまう、歯みがきを暴れて嫌がる、など磨きたくても磨けないことが多いですよね。そのような状態では、毎回歯みがきしてもきれいには磨けていません。徹底した歯みがきを1日に最低1回は決めましょう。間食の後などは、うがいしたり、お水を飲ませたりしてフォローしましょう。
- Q8 子どもに合った歯みがきのやり方ってあるの? (2歳)
- A むし歯ができやすい奥歯の溝、歯と歯ぐきの境目はハブラシを軽く当ててよくこするようにしてください。特に注意したほうがいい所は、歯と歯の間、歯並びがでこぼこしている所です。歯と歯の間にはフロス(糸ようじ)を使ってしっかり汚れを落としてください。
- Q9 「仕上げみがき」のやり方を教えて。 (2歳)
- A まず、幼児をひざの上に寝かせ、口の中がよく見えるように頭を安定させます。歯の表側は、ハブラシの毛先を歯面に直角に当て、小さく横に小刻みに動かしながら、軽い力で磨きます。歯の裏側は、ハブラシを立てて小刻みに、1歯ずつ縦に磨きます。かみ合わせは、細かく前後に磨きます。ハブラシに水をつけてていねいに磨いた後、フッ素歯磨剤(フッ素液磨き)を使うダブル磨きは効果的です。2歳位になると、仕上げみがきを嫌がることもありますので、やさしく楽しく手早くする、終わったらほめてあげることも大切です。
- Q10 歯みがき粉はいつから使っていいの? 飲み込まないか心配。 (2歳)
- A 歯みがき粉(歯磨剤)を使うには、歯みがき中に飲み込まないことが必要条件です。1~3歳の幼児は、まだこの能力が充分ではないので、ペースト状の歯磨剤ではなく、フッ素液歯みがきやフォーム(泡)状のフッ素歯磨剤の使用が勧められます。4歳~5歳児からはペースト状のフッ素歯磨剤も使用できます。子どもの発達に応じてフッ素歯磨剤を選びましょう。
- Q11 食べた後に、白湯を飲ませるのは効果があるの? (2歳)
- A むし歯は、食べもののかすがお口の中に長く溜まっていればいるほど、ひどくなります。食後なるべく早く、食べかすを取り除くことがむし歯予防にとって大切ですが、いつでも歯みがきをするというのは、なかなか大変です。そこで、歯みがきのできない小さなお子さまや外出中などで歯みがきができない時は、白湯やお茶などを飲ませて、食べかすを洗い流してあげると、ある程度お口の中をきれいな状態に保つことができます。ただ、あくまでも補助的な清掃法ですので、しっかりした歯みがきを忘れないでください。
- Q12 まだ、おしゃぶりを使っているけど、歯並びに影響するの? (2歳5ヶ月)
- A おしゃぶりの材質、どのくらい頻繁にあるいは長い間使っているのか、どのくらい強く吸っているのか、などの条件によって変わってきます。一般的には、弾力のあるおしゃぶりを強く、長時間、長期間吸うほど影響がはっきりしてきます。2歳半頃は乳歯列が完成し始める頃ですので、おしゃぶりをとるよう努力しましょう。
- Q13 糸ようじを使うと、歯ぐきを傷つけない? (2歳7ヶ月)
- A 正しい使い方をすれば、歯肉を傷つけることはありません。糸ようじ(デンタルフロス)を使う時は、歯肉を傷つけないようゆっくりとノコギリをひくよう前後に動かしながら、歯ぐきの所まで入れます。それから歯面をこするように清掃しながら、糸を元の位置に戻していきます。1か所に歯面は2個あるので、それぞれの面を磨きます。初めての時は難しいので、専門家に習った方がよいかもしれませんね。
- Q14 おばあちゃんが甘いおやつを与えて困っています。 (3歳)
- A おばあちゃんにとって、孫はかわいいものでしょう。だから、孫が喜ぶ甘いおやつをついつい与えたくなります。しかしこれは、責任ある立場のお母さんにとっては困ったものですね。子どもにむし歯をつくりたくないと思うのだけれども、おばあちゃんに強く言うのは気が引けるもの。でも、勇気を出しておばあちゃんとよく話し合ってみましょう。おばあちゃんとて、孫がむし歯で苦労するのはよしとしないと思います。歯医者さんから話をしてもらうのもひとつの方法です。
- Q15 乳酸飲料やスポーツ飲料は、むし歯にならないの? (3歳)
- A 習慣的に摂取すると、むし歯の原因になります。特に、乳歯が生え始める1~1歳半頃が要注意。飲ませ方を間違えると、上の前歯が溶けたようになります。乳酸飲料は身体によいからと言って、無制限に与えたり、哺乳ビンで飲ませるのは避けましょう。スポーツドリンクも、熱が出た時の水分補給にはいいでしょうが、健康飲料という認識で習慣的に与えるのは考えもの。乳酸飲料と同じで、むし歯になってしまいます。
- Q16 丈夫な歯にするため、カルシウム剤を飲ませています。 (3歳)
- A 確かに、現代の日本人の食事はカルシウムが不足しやすいと言われています。しかし、足りないものを健康補助食品で補う方法は、これから正しい食習慣を身につけ健康に育っていく道筋を作ってあげなければいけない子どもさんに対しては、必ずしも正しい方法とは言えません。それよりも大切なのは、できるだけ多くの食品をバランスよく取るような食事内容にすること。栄養の偏りをなくしていくのはもちろん、家族で楽しく食事をすることを少しでも多く経験させてあげることが必要だと思います。
- Q17 何でも噛まずに飲み込んでいます。このままでいいの? (3歳)
- A まず、むし歯や噛み合わせなどでの「噛めない原因」がある場合は、治療が必要です。一方、噛まずに丸飲みする「習慣」になっている場合は、離乳食のすすめ方が早過ぎたり、食べる時に急かされて「噛む学習」が不充分なことが原因です。食品の調理法(硬さ、大きさなど)や1回にお口に入れる量を多過ぎないように工夫したり、忙しい親のペースを押しつけていないか、規則正しい落ち着いた食生活・食環境になっていないかを見直してみることも大切でしょう。
- Q18 夜、歯みがきをしても、朝、口が臭う時がある。 (3歳)
- A 起床時に口臭を感じるのは、夜寝ている間に唾液の分泌が少なくなり口の中が乾燥して、細菌が増殖するからです。これは一時的なもので、歯みがきやうがい、お茶を飲むことで解消できます。しかし口臭の原因には、歯垢、むし歯、歯周病、舌苔、胃腸の疾患などの病的なものや心因性のものもあります。臭いが気になるようなら、一度歯科医院で診てもらうとよいですね。
- Q2 乳幼児の定期健診って、何をするの? (2歳)
- A むし歯のチェック、歯の生え具合、噛み合わせや歯並び、歯ぐきの状態、歯の汚れなどを調べ、また、お口に関する癖(指しゃぶり等)や甘いものを含めた食生活、歯みがき習慣についてお聞きします。場合によっては、離乳に関する質問も。これらをもとに、前回の資料と比較して新たな目標を立てます。これを繰り返すことにより、お子様のお口の健康を維持していくのです。一度目標を立てても、1人ではなかなか持続することは難しいものです。定期健診を上手に利用しましょう。
- Q3 最近よく聞く「予防歯科」って、具体的には何をするの? (3歳)
- A 「予防の1ドルは、治療の100ドルにまさる」という言葉があります。病気になって治療するよりも、病気にならないように予防するほうが価値がありますね。「予防歯科」というのは、むし歯や歯肉炎などにならないように予防をすることです。具体的には、ホームケアに関するアドバイスや、プロケア(歯のクリーニング、シーラント、フッ素塗布等)をします。かかりつけの歯科医院を決め、定期的に「予防歯科」をされるとよいと思います。
- Q36 奥歯の奥に歯が生えてきているけど、永久歯? それとも乳歯? (4歳)
- A 6歳臼歯(永久歯)が早期に生え出してきたものと考えられます。6歳臼歯は、噛み合わせにとって大切な歯です。ところが、生え終わるまでに長い時間(平均17ヵ月)がかかるので、弱く、汚れやすい時期が長く続きます。むし歯にしなりやすいので注意しましょう。
- Q37 幼稚園に行くようになって、歯ぎしりをするようになりました。 (4歳)
- A 寝ている間の歯ぎしりは、眠りの浅い時の運動です。この頃の小児にはよく見られます。幼稚園に行くようになると、友だちとの関わりやワクワクしたり興奮するようなことが毎日続きます。夢の中にそのことが出てきているのかもしれません。そのため頬の筋肉に力が入り、噛み合わせた歯をずらして歯ぎしりが起きるものと思われます。そのまま様子を見ていてよいと思いますが、歯並びに問題があったり、あごを痛がったりするようであれば、歯科医に相談してください。
- Q38 父親のまねをして、つま楊枝を使いたがるけどいいの? (4歳)
- A つま楊枝の使い過ぎは歯ぐきを痛めたり、歯ぐきの位置を下げたり、歯と歯の間に隙間を作ったりします。特にお子さんの場合、その加減がわからず上手に使いこなせなくて悪化させがちです。ものがつまった場合には、フロスなどを使ってきれいにしてください。
- Q39 下の前歯の乳歯が抜けないのに、内側から永久歯が生えてきた。(5歳)
- A 下の前歯の永久歯が乳歯の内側から生えてくることはよくあることです。この場合、これ以上乳歯の歯根の吸収は難しいので、乳歯を抜いてもらってください。その後、永久歯は生えてくるにつれて、舌で押されて前のほうに移動してきます。正しい位置にいくかどうかは、永久歯の幅と乳歯を抜いた後の隙間の幅の問題ですので、歯医者さんに相談してください。
- Q40 前歯の歯ぐきのところが丸く腫れてきました。(5歳)
- A 腫れは、その前歯の歯髄(神経)が何らかの刺激を受けてダメージを負い、腐って膿(うみ)がたまってできたものです。原因としては、むし歯が深くて神経まで達してしまっている、以前にその前歯を強くぶつけてしまった、歯ぎしりがひどくて歯が磨り減ってしまった、などが考えられます。そのままにしていると顔まで腫れることがありますので、早めの処置が必要です。
- Q11 あごとほほが腫れて、歯が痛いと泣きます。 (4歳)
- A 腫れているところの近くに、治療した歯やむし歯はないかを確認してください。歯に原因があれば、むし歯が神経の炎症を引き起こして、歯を支えている組織にまで広がっていることがあります。放置していると、永久歯の芽まで死んでしまう危険があります。できるだけ早く歯科医を受診することをお勧めします。
- Q12 むし歯がひどくて神経をとることに。永久歯は大丈夫? (5歳)
- A 乳歯とその次に生えてくる永久歯は、まったく別の歯です。乳歯の神経をとっても、永久歯を削ったり、永久歯の神経をとることにはなりませんので安心してください。逆に、神経をとる程のむし歯を治療しないでそのままにしていると、根に膿がたまり歯ぐきが腫れてくることがあります。そうなりますと、永久歯に悪い影響が出る恐れがあります。神経の治療をして、乳歯が永久歯にうまく生えかわるように定期的に健診を受けましょう。
- Q13 うちの子は虫歯がひどいので、歯科医院で「乳歯に冠を被せましょう」と言われました。永久歯に影響はないんでしょうか? (5歳)
- A 冠が被っているのは、歯ぐきから見えている部分だけです。被せた冠には関係なく、永久歯に交換します。
- Q19 キシリトールガム、本当にいいの? (4歳)
- A キシリトールは、むし歯の原因になるミュータンス菌の発育を抑制します。食べ方によって、むし歯予防効果を発揮しますが、食後すぐに10分程度、噛み続ける必要があります。また、甘味料としてキシリトールが50%以上使われているお菓子であれば、予防効果がありますので、ガムに限らずキシリトール製品を選ぶことはむし歯予防に有効と思われます。
- Q20 甘いお菓子はそんなに食べないのに、むし歯ができたのはなぜ? (4歳)
- A むし歯は、甘いお菓子だけが原因ではありません。普段から、乳酸菌飲料、ジュース類、イオン飲料、スポーツドリンクなどをよく飲んでいませんか? このような飲みものを1日に何回も飲むとか、哺乳瓶やストローを使って遊びながら時間をかけて飲むとか、寝る前に飲んでそのままになっているというようなことが続くと、むし歯になる危険性は非常に高いです。その点、お茶や牛乳(砂糖なし)なら心配ありません。
- Q21 子どもが電動ハブラシを使って、大丈夫? (4歳)
- A 子どもには原則として、手用ハブラシでの歯みがきをお勧めします。最近は、電動ハブラシも前後運動などの単純な動きのほか、回転運動など細かな動作ができ、すみずみまで磨くことができるようになりました。しかし、まだ手用ハブラシに比べて大きく重いうえ、価格も高価です。どうしても電動ハブラシを用いたければ、手用ハブラシを充分練習した後で、保護者の方が仕上げ磨きに用いられるとよいでしょう。安価で軽く、持ち運びやすい手用ハブラシは、まだ充分大切なものです。
- Q22 使いやすいハブラシを教えてほしい。 (4歳)
- A まず、植毛の部分の大きさは指2本分ぐらいの長さがよいでしょう。毛の長さは下の歯の裏側が充分に磨けるぐらいの長さ、だいたい1センチ前後でしょう。やや硬く、ある程度コシの強いものが磨きやすいようです。毛先は尖ってなく、球状に加工してあるほうがよいでしょう。柄はなるべく薄いほうがブラシの動きを妨げません。年齢により変わりますので歯科医院で相談し、選んでもらうのもひとつの方法ではないでしょうか。
- Q23 チョコレートにはポリフェノールが入っているから、むし歯になりにくいって本当? (5歳)
- A チョコレートに含まれるポリフェノールは、カテキンとそれが集まってできたタンニンというものです。これらを抽出した試験管の中での実験では、むし歯の発生を防ぐ作用があると言われています。しかし、チョコレートは砂糖を多く含み、歯に停滞しやすく、むし歯を発生させやすい食べものであるという本質には、変わりはありません。お子様のおやつとして取り上げる時には、十分な注意が必要といえるでしょう。
- Q41 永久歯が生えてきたけど、まだ指しゃぶりをしている。(6歳)
- A 一般的には、乳児期の指しゃぶりは癖としてとらえるよりは、生理的なものと考えてもよいのですが、小学校に入っても残っていると問題となるでしょう。指しゃぶりに対する見解は、小児科医や心理学者、歯科医の立場で少し違いますが、生理的な指しゃぶりの時期(3~4歳)を越えても続く場合は、開咬(前歯が噛み合わない)上顎前突(出っ歯)の原因になりますのでやめさせたほうがよいでしょう。しかし、やめさせ方によっては他の問題が起きることもありますので、かかりつけの歯科医に相談するとよいと思います。
- Q42 生え変わりの前歯の先がギザギザだけど、いいの? (6歳)
- A これはできたばかりの歯の正常な形で、前歯が上下噛み合うようになると、徐々に平らになっていきますので心配ありません。もし、なかなかギザギザがなくならないようでしたら、前歯が噛み合っていないこともありますので歯科医院にご相談してください。
- Q43 上の前歯に、変な形の歯が生えてきた。 (6歳)
- A それは「過剰歯」かもしれませんね。人間の歯には乳歯と永久歯がありますが、これ以外に余分な歯ができることがあり、それを過剰歯と言います。過剰歯は特に上の前歯の間に出来ることが多く、自然と生えてくる場合もありますが、骨の中に埋まったまま生えてこない場合もあります。永久歯が生えてくるのに邪魔になったり、歯並びに影響する時は抜くことが多いです。
- Q44 上の前歯に、大きな歯が生えてきた。 (6歳)
- A ご心配いりません。大人の歯である永久歯は、生えてきた時から大人サイズ。永久歯の前歯は、生え変わる前の乳歯の前歯に比べ、約2倍以上の大きさがありますので、特に大きく見えるものです。しかし、まれに過剰歯や癒合歯などの場合もありますので、ご心配なら一度歯科でレントゲンなどを撮ってみることをお勧めします。
- Q45 乳歯の後ろから永久歯が生えてきた。自分で抜いてもいいの? (6歳)
- A 歯の抜ける時期は多少の個人差がありますが、通常、乳歯の根は下から出てくる永久歯に合わせて短くなり自然に抜けます。しかし、最近はあごが小さいために、隙間が足りなくてうまく生え変わらなかったり、重なって生えることがあります。その場合、放置しておくと歯並びに悪い影響が起こることもあるので、不潔にならないように注意して自分で抜いてもいいですよ。抜けなければ歯科医に相談して、抜歯の処置を受けてください。
- Q46 ものを飲み込む時に、舌が前に出ると言われた。問題あるの? (7歳)
- A ボーッとしている時に上下の歯の間に舌が出ていたり、ものを飲み込む時に舌を前に突き出し前歯の裏側を押すような動きをする癖(舌癖)のあるお子様を時々見受けます。舌癖がありますと、前歯が噛み合わなかったり、前に出たりと歯並びに悪い影響が出ることが多いようです。正しい舌の位置や飲み込み方を覚えることで、歯並びが改善することもありますので、歯科医に相談することをお勧めします。
- Q47 生えてきた前歯の歯ぐきが腫れぼったい。歯槽膿漏? (7歳)
- A 永久歯の前歯が生える途中の頃、その歯ぐきが腫れぼったくなることがあります。一時的なもので、歯が充分生えましたら自然と治ることが多いです。口で息をしているお子さんは特にその傾向が強いようです。歯みがきができていなくて汚れが残っている場合、歯ぐきの腫れは不潔性の腫れと思われます。ていねいに歯みがきをしましょう。
- Q48 上の前歯(永久歯)がハの字に生えてきた。 (7歳)
- A 上の2本の前歯が扇形に開いた状態で生えてくることは一般的に見られる現象で、このような歯並びの時期を“みにくいあひるの子時代”とも呼んでいます。多くの場合は、隣の歯や犬歯が生えてくることで、自然に治っていきます。しかし、・歯の大きさと顎の大きさのバランスがとれていない(歯の大きさに比べ顎が小さいまたは大きい) ・余分な歯が埋まっている ・隣の歯が生まれつき欠如している などの原因がある場合、自然には治らないことがありますので歯科医に相談してみましょう。
- Q49 永久歯の色が黄色いのですが…。 (7歳)
- A 永久歯の歯の色は、乳歯の白っぽいものに比べると、明るい黄色味を帯びていて半透明のつやを持っています。これは、歯の表面を形成するエナメル質の透明度が高いために、透過してその下にある象牙質の淡い黄色が透けて見えるため。心配はいりません。
- Q50 上の前歯(真ん中から2番目)に、とがった形の歯が生えてきた。(7歳)
- A 一般に、円錐歯と呼ばれるもので一種の形の異常ですが、歯の構造自体には何ら異常はありませんのでご安心ください。ただ、将来、歯の形が気になるようでしたら、その歯をおおう形で白い歯をかぶせることができます。
- Q51 下の歯の裏側に白いものが固まっている。ハブラシでは取れない。(7歳)
- A 部位から推測しますと、それは歯石だと思われます。歯の表面に付着した細菌のかたまりである歯垢(プラーク)を、数週間そのままでおくと唾液中のカルシウム分が石灰化して歯石に変化します。一度歯石となると、ハブラシくらいの力では取り除くことは難しくなります。歯石はプラークと共に歯肉を刺激して炎症を引き起こします。近年、低年齢の歯周病が増加し、問題化しています。定期的な歯科健診で、歯石を除去してもらうことが肝要です。
- Q52 生えてきた前歯の歯並びがガタガタ。 (8歳)
- A 乳歯の時は前歯はきれいに並んでいたのに、大きな永久歯に生え変わってガタガタになることはよくあります。歯を支えるあごの骨は、歯が生える時に一番大きくなると言われています。一時的にガタガタになっても、少し様子を見ているときれいに並んでくることもありますが、歯の大きさに対してあごの骨が小さいと、ガタガタの歯並びは自然には治りません。かかりつけの歯科医院で相談してみるとよいと思います。
- Q53 噛み合わせが永久歯で逆になった。 (8歳)
- A 下の歯が上の歯よりも前にある噛み合わせを、一般的に反対咬合と呼んでいます。反対咬合は大きく分けて3つのタイプがあります。顔やあごの骨格に問題があって受け口になったタイプ、歯の生え方が問題で受け口になったタイプ、その両方に原因があるタイプ。タイプによって治療の時期や方法が違います。原則的には骨格が関係しているタイプほど、治療を早めにスタートする必要があります。
- Q54 口を大きく開けるとあごが痛い。どこが悪いの? (9歳)
- A 下あごの位置が少しずれて、あごの関節に負担がかかっているのかもしれません。9~10歳の頃は、6歳臼歯と前歯の噛み合わせでその人の生涯のあごの位置が決まる時期です。この時期に口を大きく開けると痛かったり、口が開きにくかったり、開けた時に左右いずれかにずれたりする時には、早目に歯科医に相談してください。あごがずれる原因としては、片方だけで噛む、寝る姿勢がいつも片側ばかり、頬づえをつく、などの癖や上下の噛み合わせや歯並びが悪いことなどが考えられます。
- Q55 健診で「歯肉炎」と言われた。どうすればいい? (9歳)
- A 乳歯と永久歯が混じった時期でブラッシングしずらい状況にあり、また9歳という年齢から考えると、ちょうど親の管理から離れ自立を始めた頃ですね。磨いているつもりでも磨けていない状態であるために、歯ぐきが赤く腫れていると思われます。まず、歯科を受診され、正しいブラッシング法の指導を受け、プラークコントロールができるようになることが大切です。歯石が沈着しているようなら、スケーリングや研磨をしてもらい、口腔内の環境を改善し、また食生活(甘味物の摂取や咀嚼)についても指導を受けてください。
- Q56 下唇を上の歯で吸うためか、上下の前歯が噛み合わない。 (9歳)
- A 唇を吸う力は小さな力ですが、それでも長時間ですと歯は動きます。歯が長時間下唇に押し付けられると、唇の力で歯には歯ぐきの中に押し込まれる力がかかります。この結果、上の歯は上に、下の歯は下に動いて上下の歯は合わなくなり、上下の歯の間に舌が入り込むようになります。こうなると、癖が治らない限り自然に治る可能性は低いので、早めに歯科医に見てもらいましょう。
- Q57 まだ前歯が生え変わらない。 (9歳)
- A 歯の生え変わる年齢には個人差がありますが、反対側の同じ歯が生えてから半年以上も生えてこなかったり、一般的な萌出年齢より2年以上生えてこない場合は診査が必要です。原因は、1.生まれつき歯がない 2.乳歯の根がうまく吸収されない 3.歯ぐきが硬くなっている 4.余分な歯があって邪魔をしている 5.永久歯の位置や生える方向がよくない などです。レントゲン写真をとって調べてから治療方針が決まりますので、歯科を受診されてください。
- Q58 上の奥歯が痛いようですが、むし歯は見当たりません。鼻水も出ています。(9歳)
- A 肉眼で見ただけでは、歯や歯肉や骨の内部の状態は正確には把握できないものです。見えない部位に歯の神経に達するほどのむし歯が隠れていたり、根の先が化膿していることは、たとえ治療済みの歯でも見受けられます。また、早い子だと永久歯との交換のためや、意外と口内炎のこともあります。歯科健診に異常がなければ、副鼻腔炎(蓄膿症)も疑われます。耳鼻科への受診をお勧めします。
- Q24 歯みがきのやり過ぎで、歯が削れるの? (6歳)
- A ハブラシのみで歯を磨いた場合、歯みがきのやり過ぎで歯が削れることはありません。歯みがき粉を使用した場合、現在売られている子ども用には、歯を削る研磨剤は全く含まれていないか、またはわずかに含まれている程度ですので、歯が削れる心配はありません。歯みがきで、歯が削れていると感じたり、痛がる時は歯医者さんで診てもらい、歯みがきの仕方や、歯ブラシ・歯みがき粉等の選び方を尋ねてください。
- Q4 子どもの歯みがき指導って、どんなことをするの?(7歳)
- A それぞれの子どもの年齢や歯並びの状態に合わせて、磨きにくいところ、注意しないといけないところを把握していただけるようにお話し、ご家庭でもスムーズに落とせるよう指導していきます。小さい子は保護者の方の仕上げ磨きが中心となりますが、自分で磨けるようになってくると、磨けないところをどのようにお手伝いしてあげたらよいのかを一緒に考えていきます。上手な子になると、自分の苦手な部分を知ってもらい、さらに頑張るように励ましながらすすめていきます。
- Q5 むし歯がなくても、定期健診には行くべきでしょうか?(8歳)
- A 子どもの口の中の状況は、めまぐるしいスピードで変化します。一連の治療が終わって数ヶ月経過しますと、保護者の方では予測できない変化の兆しが見受けられることがしばしばあります。また、フッ素塗布をされている場合、数ヶ月ごとに重ね塗りすることで効果がぐんと増します。むし歯の有無を調べるのは、定期健診のたくさんの項目(歯の生え変わりや噛み合わせ、歯周病のチェック、フッ素塗布等)のうちのひとつです。口の中が健康に発育するように、定期健診を上手に利用しましょう。
- Q6 歯医者さんにいるお姉さんは看護婦さんなの?
- A 看護婦さんではなく「歯科衛生士」です。歯科医師をサポートする他、歯の磨き方の指導やむし歯予防の処置(フッ素塗布、シーラント)をしたり、健康な歯を保つための食生活などのカウンセリングも行う、予防の専門家です。お口に関する疑問などありましたら、気軽にお尋ねください。
- Q59 けがで歯が欠けた、抜けた。歯はもとに戻るの? 歯医者に行くまではどうすればいい?(10歳)
- A 歯が欠けた場合は、欠けた部分が見つかればそれを持って、見つからなくてもすぐに歯科医院を受診しましょう。欠けた部分があればもとの歯の形がわかりますし、場合によってはそれをくっつけることができるかもしれません。欠けた大きさにもよりますが、早く処置ができれば歯の神経を残すことができます。歯が抜けた場合は、汚れていたら水道水で洗ってから(30秒以内)、自分で元の位置に戻してください。戻せない時は、ほっぺたの内側に入れて歯科医院を受診してください。歯を飲み込む心配がある時は、牛乳が手に入るならその中に入れてもいいです。いずれにしても、歯科医院にすぐに行ってください。処置が早ければ早いほど、元の位置に収まる可能性が高くなります。